「東方紅魔郷」エクストラステージのボス、フランドール=スカーレットのテーマ曲である「U.N.オーエンは彼女なのか?」、およびそれを基にしたビートまりお氏のアレンジである「最終鬼畜妹フランドール・S」、以上2曲のオーケストラアレンジです。1周目が"オーエン"の、2周目が"最終鬼畜"のアレンジとなっています。
原曲の構成ですが、"オーエン"は「序奏 - A - B(2楽段)- C - A'(2楽段)- B(2楽段)」、"最終鬼畜"は「序奏 - A(3楽段)- B(2楽段)- C - A'(2楽段)- B(2楽段)- A''(2楽段)- B'(4楽段)- C'」となっています。アレンジでは、これら2曲を"オーエン"のA部分を基にしたつなぎで連結しています。"オーエン"は割合落ち着いた感じの、"最終鬼畜"は狂気全開の仕上がりになっています。
"オーエン"の序奏は、変拍子のメロディを木管と中高弦がかわるがわる演奏します。途中からホルンとチェロによる対旋律が加わります。
A部ではまずオーボエが低音域で刺激的なメロディを奏し、後半これにトランペットが加わります。
16分音符の落下音に導かれて、この曲のメインであるB部に入ります。主題はフルート、オーボエ、中高弦が担当し、途中からピッコロも加わります。第2楽段はトゥッティの強奏で主題を繰り返します。
C部の導入では、木管が交代しながら3連符の音形を演奏します。5小節目からはニ短調となり、シロフォンとチェロの伴奏に乗って木管と中高弦が3連符を基調としたメロディを受け継いでいきます。
A'部は変ロ短調に戻って音量をぐっと落とします。まず、コンサートマスターのソロを中心に不気味な音楽が形作られます。第2楽段前半は管楽器が一音ずつ交代でメロディを奏し、後半はトゥッティの強奏に至ります。
全休を挟んだ後、オーボエソリによってB部が回帰します。第2楽段は再び全奏の強奏となって主題を繰り返し、変ロ長調の和音の上に終止します。木管による幾分牧歌的なつなぎを挟んだ後、銅鑼と大太鼓による最弱奏から最強奏までのクレッシェンドで"最終鬼畜"に突入します。
"最終鬼畜"はニ短調で、全奏のユニゾンによる最強奏から始まります。金管がここぞとばかりに咆哮します。
A部は弦楽器を主体に、木管や打楽器が彩りを添えます。3楽段目では、木管だけとなって音量がぐっと落ちる部分と強奏の部分が目まぐるしく入れ替わります。
B部の1楽段目は打楽器を除いた全奏で、2楽段目では打楽器も加わって主題を歌います。金管楽器のグリッサンドがアクセントを打ち込み、第2楽段では低音が対旋律となります。
C部では木管楽器と低音金管による和音の上に、シロフォンとティンパニが主体となって即興色の強い楽句を展開します。なかなか良い狂気具合になりました。
A'部はまず弦楽器のみとなり、チェロがメロディを奏で、バイオリンがそれに楔を打ち込みます。メロディは楽器を拡大しつつ4回繰り返され、その度に完全4度上に音が加えられます。楔は半音階で上昇し、4小節ごとに完全4度下に音が加わります。
2回目B部は最初"オーエン"と同様に音量を落とし、クラリネットがメロディを担当します。第2楽段からは1回目B部のそれが強奏で繰り返されます。
A''部では打楽器の急迫したリズムに乗って、変形されたメロディが金管に現れます。今度は短3度ずつ上に音を乗せながら4回繰り返され、3回目からは弦全体による半音階が不気味に現れます。
B'部の1楽段目は1回目B部の1楽段目が繰り返されます。2楽段目ではそれに打楽器が加わります。3楽段目からは変ホ短調に転調し、低音の対旋律が現れます。4楽段目では対旋律は消え、最強奏によって主題が演奏されます。
C'部は管楽器の和音の中、弦全体によって半音階を主体とした上昇下降の激しい音形が奏でられます。強奏に至ると突然全休止が現れ、銅鑼と大太鼓の最強奏の一撃と共に弦トレモロによる不気味な和音が叫ばれます。そのまま消え入るようにして曲は終わります。