KONTRAST01::double heroine - Side R, Op. 21

楽曲情報:

Prologue. 封印された夢 変ホ短調 / Eb-Minor / es-moll約1分半
I. 生と死の境界幻想 嬰ハ短調 / C#-Minor / cis-moll約3分
II. 過去へ捧げる哀歌 ニ短調 / D-Minor / d-moll約5分
III. 諧謔的な祭唄 ロ短調 / B-Minor / h-moll約3分半
IV. 紅い月夜の舞踏会 ロ短調 / B-Minor / h-moll約9分半
Epilogue. 黄昏時の散歩道 イ長調 / A-Major / A-Dur約1分

編成:

FluteI, II
OboeI, II
Clarinet in A, BbI, II
BassoonI, II
  
Horn in FI, II
TrumpetI, II
  
Timpani(3 kettles)
  
ViolinsI, II
Violas 
Violoncellos 
Contrabasses 

音源:

楽譜:

スコア譜
パート譜

コメント:

東方楽曲アレンジによる交響曲です。友人のしらは君とサークル「KONTRAST」を組んでコミックマーケット84にて頒布したもので、私は霊夢サイドを担当しました。

今回のアレンジでは思い切って編成をストイックに絞り、そのなかでの表現を追求しました。また、プロローグで提示した霊夢の主題を統一動機として全曲にわたって使用することで、楽曲全体としてのストーリー性と統一感を出しています。

以下、各楽章についての解説です。

 

プロローグ「封印された夢」、変ホ短調、4/4拍子、自由な形式。原曲は「東方永夜抄」より「少女綺想曲 ~ Dream Battle」。この楽章では原曲の副主題のみが扱われ、統一動機として提示されます。原曲の主要主題となるリズム動機も後の楽章で顔を出しますが、あくまで統一動機としては副主題のみを用いています。

楽章を通して弦楽器のみによって演奏され、最初に動機を断片的に提示したあと、完全な形での主題が二度あらわれます。強奏による経過的なパッセージを経て嬰ハ短調の属和音で終始し、次の楽章にattaccaで繋がります。

 

第1楽章「生と死の境界幻想」、嬰ハ短調、4/4拍子、3部形式(A - 経過句 - B - A')。原曲は「東方妖々夢」より「ネクロファンタジア」。

全奏の打撃音によって楽章が開始すると、A部の2コーラスは強奏のまま突き進みます。続いて比較的長い経過句に入り、バスが不気味に刻み続ける変ホ短調の部分、木管アンサンブルから弦楽器アンサンブルへと受け継がれるロ短調の部分、と進んでいきます。

嬰ヘ音の警笛が鳴り、ティンパニの打撃が打ち込まれるとB部に入り、イ短調ながら明るい雰囲気でメロディが歌い上げられます。B部の終結部では嬰ト短調となり、「少女綺想曲」のリズム動機、続いて統一動機としての副主題が出現し、対旋律として扱われます。

最後にA部が再現され、カデンツを形成して終止します。

 

第2楽章「過去へ捧げる哀歌」、ニ短調、4/4拍子、展開部を欠いたソナタ形式。原曲は「東方文花帖」より「レトロスペクティブ京都」。

情熱的な序奏の後、主要主題が空虚な雰囲気をもって提示されます。フルートによる切ないエピソード、16分の刻みが不安を駆り立てる経過句と続き、ヘ短調に転調して嘆くような副主題が提示されます。

再現部では、序奏は弱奏として扱われます。主要主題部では統一動機による対旋律が彩りを添えますが、やはり空虚な雰囲気で再現されます。続くエピソードはファゴットとホルンによってコラール的に。経過句は拡大され、主調の属和音で一旦終止すると、副主題がニ短調で情熱的に再現されます。ここでも統一動機が対旋律として用いられます。

最後に序奏がもう一度再現され、低弦のピチカートによって断ち切るように終止します。

 

第3楽章「諧謔的な祭唄」、ロ短調、3/4拍子、スケルツォ、トリオの再現を伴う3部形式(A - B - A' - B' - A'')。原曲は「東方萃夢想」より「御伽の国の鬼が島 ~ Missing Power」。

低弦が正拍を刻む上で、まずはバイオリンによって軽快なスケルツォ主題が提示されます。次第に楽器を増やしつつ主題を繰り返し、4回目で全強奏に至ります。クレシェンドとffpが繰り返される経過句が挿入されると、ホ短調に至ります。

トリオではスタッカートの伴奏型に乗って息の長いメロディが展開されます。途中で嬰ハ短調への転調をはさみつつひとしきり演奏されると、ロ短調に戻ってフルートとオーボエによる経過的なエピソードが入ります。このフレーズが消えると、低弦が属音を保続し、その上にスケルツォ主題の断片と統一動機が交互にあらわれます。これを繰り返しつつ音量を次第に増し、ティンパニのロールを伴った強奏に至ると、全奏による下降音形でスケルツォに回帰します。

2回目のスケルツォでは経過句が省略され、ロ短調のままトリオが再現されます。これも短く終えるともう一度スケルツォが回帰し、カデンツを形成して終止します。

 

第4楽章「紅い月夜の舞踏会」、ロ短調、主部は3/4拍子、ワルツ、主要主題の再現を欠いたソナタ形式。原曲は「東方紅魔郷」より「亡き王女の為のセプテット」。この楽章では、今までの楽章ではサブ的な扱いだった統一動機が、もうひとつの中心主題としてクローズアップされています。

序奏はバイオリンが主音をトレモロで保続する中、「セプテット」の序奏動機と統一動機が交互に演奏されます。途中から弱音器付きトランペットによる主要主題の予告が加わりますが、一旦すべて消えて主音のみが残ります。

ティンパニのロールに導かれてワルツのテンポとなると、原曲の第2序奏があらわれます。続いて主要主題が情熱的に提示され、かわいらしいニ短調の経過句を経て、嬰ヘ短調の副主題が優美に提示されます。木管アンサンブルによって副主題を繰り返すとイ長調上で小休止。続く結尾部では副主題を中心に、バイオリンの装飾的パッセージや「少女綺想曲」のリズム動機、統一動機が複雑に絡み合います。

ロ短調に戻って第2序奏が管楽器のみで再現されると、ニ短調となって展開部に入ります。しばらくは主要主題が扱われますが、その後は第1楽章のB部主題、第2楽章の副主題、第3楽章のトリオ主題の3者が中心となり、これに統一動機が対旋律的に絡み続ける、といった形で展開します。頻繁な転調を繰り返しながら最終的にはヘ音に至り、トランペットのファンファーレの後に木管が統一動機を叫号、これに応えるように主要動機が回帰します。

再現部はト短調、最強奏による経過句の再現より始まります。後半は拡大され、主調の属和音に至った後、副主題がロ短調で情熱的に再現されます。結尾部ではやはり「少女綺想曲」のリズム動機や統一動機が添えられますが、小休止はなくなっています。最終的には全奏による最強奏となり、ロ長調の主和音に至ります。

速度を減じて副主題の動機を回想、全休の後に序奏を回想し、長和音で終止します。

 

エピローグ「黄昏時の散歩道」、イ長調、4/4拍子、自由な形式。原曲は「東方永夜抄」より「恋色マスタースパーク」。

弦楽器によるピチカートの伴奏の上で、「マスタースパーク」の副主題と統一動機が交互にあらわれます。ひとしきり対話がなされるとカデンツを形成し、全曲を終えます。

作成:

2012/01/24 I. 生と死の境界幻想 完成
2012/03/02 Prologue. 封印された夢 完成
2012/12/16 II. 過去へ捧げる哀歌 完成
2013/04/21 III. 諧謔的な祭唄 完成
2013/06/30 Epilogue. 黄昏時の散歩道 完成
2013/07/07 IV. 紅い月夜の舞踏会 完成
2013/09/26 楽譜完成
2017/01/29 パート譜完成

初演:

2018/01/21 幻想郷交響楽団 演奏会2018

備考:

原作者:ZUN(上海アリス幻樂団

音源の加工にLinearPhaseGraphicEQ 2(HP)、TLs-Pocket Limiter v1-2 (HP) を使用しています。

著作権表示:

本作品のMIDIデータの作成にはFinaleのHuman Playbackを使用しています。
本作品の録音データの作成にはGarritan Personal Orchestraを使用しています。
本作品の楽譜データの作成にはFinaleを使用しています。
 
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