交響曲「幻想郷世界」, Op. 17

楽曲情報:

I. MAESTOSO ハ短調 / C-Minor / c-moll約9分
II. PRESTO ロ短調 / B-Minor / h-moll約6分半
III. VALSE ニ短調 / D-Minor / d-moll約7分
IV. ADAGIO ニ短調 / D-Minor / d-moll約10分半
V. FINALE ロ短調 / B-Minor / h-moll約22分

編成:

FluteI, II
Piccolo 
OboeI, II
English Horn 
Clarinet in BbI, II
Bass Clarinet in Bb 
BassoonI, II
Double Bassoon 
  
Horn in FI, II, III, IV
TrumpetI, II, III
Tenor TromboneI, II
Bass Trombone 
Bass Tuba 
  
Timpani(4 kettles)
Glockenspiel 
Xylophone 
Triangle 
Tambourine 
Snare Drum 
Suspended Cymbal 
Tam-tam 
Cymbals 
Bass Drum 
  
Harp 
  
ViolinsI, II
Violas 
Violoncellos 
Contrabasses 

音源:

I. MAESTOSO [BIG UP!]
II. PRESTO [BIG UP!]
III. VALSE [BIG UP!]
IV. ADAGIO [BIG UP!]
V. FINALE [BIG UP!]
全楽章連続版

楽譜:

スコア譜
修正ノート(ver 1.1)
パート譜

動画:

お借りしたイラストの掲載元は、以下のファイルに一覧として記載しました。イラストの著作権は全て製作者様に所属します。

動画の作成にあたって友人の杏の種君、しらは君に協力していただきました。ありがとう。

コメント:

東方楽曲オーケストラアレンジによるメドレーです。紅魔郷、妖々夢、萃夢想、永夜抄、花映塚、文花帖、風神録、緋想天、地霊殿、星蓮船の中から全100曲を選んで――というより選ばなかった曲の方が圧倒的に少ないのですが――ひとつの曲に組み上げました。原曲が次々に変わっていくメドレーの楽しさに気を配りつつも、全体としてひとまとまりになるような構成を心がけました。音楽で綴る幻想郷の世界を楽しんでいただければ幸いです。

楽曲は全5楽章からなり、休みなく演奏されます。演奏時間は55分程度です。原曲の詳しい曲順は「備考」内の「イラスト掲載元リスト」をご参照ください。

 

第1楽章は花映塚オープニング「花映塚 ~ Higan Retour」によるイントロから始まり、いわゆるオーソドックスなメドレーが展開されます。楽章全体としては大きな山がふたつとその谷間の比較的ゆったりした部分、という構成になっています。MAESTOSOの副題通り、堂々とした前向きの音楽を基調としました。

ひとつめの山は「封じられた妖怪 ~ Lost Place」で、ここは原曲よりだいぶテンポを上げ、推進力を前面に出した形になりました。小休止的な静かな部分を挟んで、その後は曲を切り替えながら徐々に徐々にクレッシェンドしていきます。そして1楽章ラスト、「信仰は儚き人間の為に」でこの楽章の頂点を迎えます。ホルンのグリッサンドが煽り立てる中、エンジン全開でクライマックスに至り、緊張感のある小結尾を経て2楽章につながります。

 

第2楽章はPRESTOと題し、超高速かつ終始一定のテンポで駆け抜けるようなアレンジにしました。およそ6分半の演奏時間に32曲が詰め込まれ、原曲を目まぐるしく変えながら突っ走っていきます。

楽章全体は3つの部分に分かれています。ひとつめは「時代親父とハイカラ少女」から「U.N.オーエンは彼女なのか」までの部分で、ここはイントロ的な形でこの楽章の基調となる雰囲気を提示します。ふたつめの部分は「春色小径 ~ Colorful Path」から、大幅に音量を落として始まります。"#" をひとつずつ落としながら12曲で12の調をぐるっと一周、徐々に雰囲気を盛り上げていき、「夜空のユーフォーロマンス」に至ります。一瞬音量を落として緊張感を高めたあと、「Demystify Feast」で開放し、頂点をひとつ形成します。その後は小休止的な部分を挟んで、「夜雀の歌声 ~ Night Bird」からが第3の部分になります。ここも12曲で12の調を一周しますが、今度はキーを半音ずつ上げていく形で転調していきます。その動きを引き継ぐ形で終曲の「風神少女」に入り、更に半音上に転調してクライマックスを形成します。

 

第3楽章は第2楽章の終了と同時に間髪を入れずに始まります。VALSEと題され、3拍子を基調リズムとしたこの楽章は、テンポを落とした中間部を挟んで3つの部分からなります。前2つの楽章と比較して、全体的にはやや落ち着いた雰囲気の曲調となっています。

「芥川龍之介の河童」から「廃獄ララバイ」までの第1部は、ワルツのリズムの上で再びオーソドックスなメドレーが展開されます。少し時代を遡る感じで仕立てられたオーケストレーションが古風な雰囲気を醸し出します。中間部は「紅より儚い永遠」から、やさしく穏やかな曲調で始まります。少しずつ音量を上げながら進んでいくと、「緑眼のジェラシー」の冒頭で金管コラールが高らかに歌い、第3部の開始を宣言します。「ポイズンボディ ~ Forsaken Doll」の不気味な緊張感を経てどんどんテンションを上げていき、「夜が降りてくる ~ Evening Star」の豪奢なワルツでクライマックスに至ります。弦楽器がそれを回想する形で小結尾を演奏すると、4楽章に入ります。

 

第4楽章は一番原曲を「原曲らしくなく」料理している部分です。ADAGIOの副題の通り、全編大幅にテンポを落として演奏され、また殆ど常に複数の原曲が同時に絡みあう形で進行します。いわゆるマッシュアップの楽章ですが、テンポが遅いことで独特の雰囲気を出しています。

この楽章は明確な構成といったものはなく、マッシュアップの曲目ごとに7つのエピソードが展開されます。木管による寂しげな部分と全奏の勇壮な部分からなる「バカルテット」のエピソード、ハープのハーモニクスが空虚な印象を与える「従者」のエピソード、優しく古風な感じの「地霊殿」のエピソード、怪しげで不気味な「アンノウン」エピソード、弦楽器が複雑に絡み合いながら満たされないクライマックスを形成する「季節」のエピソード、行進曲風に堂々とした「魔理沙組」のエピソード。以上6つのエピソードが終わると「ツェペシュの幼き末裔」が来るべき音楽を予感させ、最終楽章へと進行します。

 

第5楽章はFINALEの名に相応しいラスボス曲を中心としたアレンジです。いわゆるボスラッシュですが、この楽章だけで演奏時間22分と他の楽章の倍以上の時間を費やしており、名原曲たちをじっくり堪能できる形になりました。曲自体はオーソドックスなメドレー風に戻りますが、一曲一曲のドラマ性を重視したアレンジングとなっています。

楽章全体は3つの部分とコーダ、という構成になっています。まずは前の楽章で予告した「亡き王女の為のセプテット」から始まり、「ボーダーオブライフ / ネクロファンタジア」に至るまでが第1部です。複数のマッシュアップエピソードが挿入され、奥深い盛り上がりを形成します。「御伽の国の鬼が島 ~ Missing Power」から始まる第2部は経過句的な性格で、単純なオーケストレーションの上に比較的静かな音楽が展開します。「有頂天変 ~ Wonderful Heaven」の弦楽四重奏による寂しげなエピソードを経て、「神さびた古戦場 ~ Suwa Foughten Field」から第3部となります。「霊知の太陽信仰 ~ Nuclear Fusion」による徹底的な破壊から「法界の火」で緊張感を極限まで高め、ラストの「感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind」で一気に開放して最高潮を迎えます。

メドレーの最後には長大なコーダが付されています。オープニングの「花映塚 ~ Higan Retour」を回想する形で始まり、その動機を繰り返すコラールの中でラスボスのテーマが作品順に次々と演奏されます。コラールは大きなクレッシェンドを形成し、最後には「感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind」の変型動機が現れて圧倒的なクライマックスを形成、全曲を終えます。

作成:

2010/10/02 I. MAESTOSO 完成
2010/11/14 II. PRESTO 完成
2011/01/03 III. VALSE 完成
2011/03/27 IV. ADAGIO 完成
2011/08/20 V. FINALE 完成
2011/12/13 楽譜完成
2012/05/30 パート譜完成

初演:

2013/06/23 幻想郷交響楽団 演奏会

備考:

原作者:ZUN(上海アリス幻樂団

音圧の増強にTLs-Pocket Limiter v1-2 (HP) を使用しています。

著作権表示:

本作品のMIDIデータの作成にはFinaleのHuman Playbackを使用しています。
本作品の録音データの作成にはGarritan Personal Orchestraを使用しています。
本作品の楽譜データの作成にはFinaleを使用しています。
 
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