東方管弦組曲, Op. 9

楽曲情報:

I. プレインエイジア ヘ短調 / F-Minor / f-moll約3分45秒
II. ヴォヤージュ1969 ホ短調 / E-Minor / e-moll約3分45秒
III. Lunar Dial ハ短調 / C-Minor / c-moll約3分15秒
IV. 遠野幻想物語 嬰ハ短調 / C#-Minor / cis-moll約4分15秒
V. 幽雅に咲かせ、管弦の桜 ヘ短調 / F-Minor / f-moll約6分半

編成:

FluteI, II
Piccolo 
OboeI, II
Clarinet in A, BbI, II
BassoonI, II
  
Horn in FI, II, III, IV
Trumpet in BbI, II
Tenor TromboneI, II
Bass Trombone 
Bass Tuba 
  
Timpani(6 kettles)
Triangle 
Tambourine 
Wind Chime 
Snare Drum 
Suspended Cymbal 
Tam-tam 
Cymbals 
Bass Drum 
  
ViolinsI, II
Violas 
Violoncellos 
Contrabasses 

音源:

I. プレインエイジア
II. ヴォヤージュ1969
III. Lunar Dial
IV. 遠野幻想物語
V. 幽雅に咲かせ、管弦の桜

楽譜:

全曲

動画:

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コメント:

東方楽曲のオーケストラアレンジを組曲形式にまとめました。全5曲、演奏時間は22分程度です。スコアは色々とやり過ぎな部分もありますが、そのまま公開しちゃいます。

 

1曲目は「東方永夜抄」ステージ3ボス、上白沢 慧音のテーマ曲である「プレインエイジア」です。

原曲は「序奏(テーマ)- A(テーマ)- B - C - A' - 序奏' - Aからループ」という構成をしていますが、今回は色々といじくってみました。具体的には「序奏 - A - B - C - A' - B - D(副主題)- 序奏 - A''(テーマ+副主題)」としています。

序奏は高弦による3連符のリズムの上に木管楽器がテーマの動機を提示します。2回目からはチェロのピチカートを中心とした対旋律が入り、4回繰り返しながら徐々に盛り上がっていきます。

A部ではまず木管+高弦が、その後トランペットも加わってこの曲のテーマを歌い上げます。第2楽段(8小節単位を1楽段という)ではピッコロとフルートが1小節遅れて追っかけに回ります。

B部はつなぎの部分で、弦楽器の刻みによって和音が形作られる中、管楽器が次々にテーマの動機を折り重ねていきます。

C部は前半がロ短調、後半はヘ短調となっていて、原曲ではピアノが即興演奏をしています。アレンジではその即興部分をほぼそのまま再現し、木管と弦が次々に楽器を交代しながら繋げていきます。

A'部では一旦音量を落とし、序奏のリズム動機の上でピッコロ・フルート・クラリネットがテーマを奏でます。チェロとファゴットはそれに序奏の対旋律をつけます。第2楽段から急激に音量を増し、全奏によってテーマが強奏されます。また、トランペットはテーマの3度上に音を重ね、新しい側面を見せます。

2回目のB部は1回目と同じです。D部では突如音量を落とし、ハ短調となります。クラリネット・ファゴットがコラール調に和音を重ねる中、チェロとホルンによって新しい主題が提示されます。第2楽段ではフルートとトロンボーンが加わってこの主題が繰り返されます。オーボエとホルン3・4番は半小節遅れで追っかけを演奏し、これに彩を添えます。また、高弦には3連符の伴奏音形が新たに現れます。第3楽段ではトランペットを中心としてもう一度主題を繰り返します。弦楽器は先程の3連符の伴奏音形を繰り返し、またピッコロとフルートにはテーマがハ短調で現れます。

一通り盛り上がると再び音量を大きく落とし、ヘ短調の序奏が回帰します。ここは最初と同じです。続いてA部の第1楽段にトランペットが加わった形でテーマが再現されます。ここでの伴奏形は、D部の3連符のものを基にしています。第2楽段では最強奏となり、トランペットは再びテーマの3度上に音を重ねます。ピッコロとフルートにはD部の主題がヘ短調で現れ、2つの主題が融合したのを見届けて曲を終わります。

 

2曲目は「東方永夜抄」ステージ6の道中曲、「ヴォヤージュ1969」です。

原曲の構成は「A - B - A'」となっています。アレンジではこれを2周させてコーダを追加しました。

A部では、まず弦楽器の和音に乗ってオーボエがテーマを提示します。ピッコロとフルートはこれに即興的な装飾を加えます。第2楽段では旋律にクラリネットが加わり、弦楽器のピチカートが対旋律を添えます。第3楽段になると更にファゴットが旋律に、金管が対旋律に加わります。

B部は6/8拍子と2/4拍子が交錯するつなぎになっていて、高弦の16分の動きに乗ってクラリネット・ファゴット・ホルンが副主題を奏でます。第2楽段からは打楽器が3/4拍子で加わります。

A'部はヘ短調4/4拍子となってテーマが強奏で帰ってきます。第2楽段からは、トランペットを中心にテーマの3度上に旋律が加わります。

2周目のA部に入ると音量は一旦落ちます。ここは1周目と同じくホ短調3楽段からなっていますが、ピッコロとフルートにあった装飾音形は消えています。第1楽段ではチェロがテーマを、高弦が対旋律を担当します。第2楽段ではクラリネット・ファゴット・ビオラがテーマに加わり、対旋律は金管とバイオリンに現れます。また、フルートは対旋律の追っかけを演奏します。第3楽段からはフルート・バイオリンがメロディとなり、オーボエ・クラリネット・トランペット・ビオラ・チェロが対旋律とその追っかけを担当します。

B部は1周目より音量を落として演奏されます。高弦にあった16分のパッセージは、最高音のみを残して消失しています。

A'部では再びヘ短調となります。第1楽段は1周目と同じであり、第2楽段は第1楽段の繰り返しに対旋律が加わります。対旋律はB部の副主題を基にしたもので、クラリネット・ファゴット・ホルンによって演奏されます。第3楽段では最強奏で1周目のA'部第2楽段+副主題が演奏されます。

コーダは3楽段からなり、第1楽段では曲の始めのオーボエソロが再現されます。第2楽段では更に音量を落とし、メロディをフルートが、対旋律をクラリネットとファゴットが演奏します。第3楽段では和音の伴奏がピチカートだけとなり、メロディはピッコロに速度を減じて現れます。旋律の最後で減速して一旦休止となり、対旋律を基にしたカデンツで曲を終わります。

 

3曲目は「東方紅魔郷」ステージ5ボス、十六夜 咲夜のテーマ曲である「月時計 ~ ルナ・ダイアル」です。

原曲は「A - 推移 - B - C」という構成になっていますが、アレンジでは主部を2周繰り返した上、序奏とコーダを付け加えました。もともとメロディと呼べるような要素がほとんどない曲なので、あちこちに旋律を入れています。テンポは原曲より若干速めに設定しました。

序奏は4小節の打楽器ソロで、小太鼓が中心的な役割を果たします。

A部は原曲の音形を伴奏に旋律楽器がアドリブのようなメロディを演奏するという形にしました。1周目は弦・金管・打楽器の伴奏にクラリネットが旋律を、2周目は弦・木管・打楽器の伴奏にフルートが旋律をつけます。

推移部は原曲4回の繰り返しのところを3回に減らしています。1周目は原曲どおり変ホ短調に転調しますが、2周目はロ短調に転調します。

B部は拍子が3/4となり、8小節の音形が2回繰り返されます。2回目には対旋律が挿入されますが、1周目ではファゴットが、2周目ではピッコロとチェロが担当します。

C部は再び拍子が4/4に戻り、8小節の音形が3回繰り返されます。3回目は短三度下に転調しますが、1周目ではト短調→ホ短調、2周目では変ホ短調→ハ短調となります。1周目は2回目の繰り返しからメロディが入り、(クラリネット+トランペット)→(オーボエ+ホルン+トランペット+第二バイオリン+ビオラ)となります。原曲の音形はオーボエ→トロンボーン→(ファゴット+トロンボーン)が、リズム音形はフルート・ピッコロと第一バイオリンが担当しています。2周目では原曲音形は演奏されず、1回目からメロディが入ります。担当楽器は(オーボエ+第一バイオリン)→(オーボエ+ホルン+バイオリン)→(オーボエ+クラリネット+ホルン+トランペット)です。また2回目からは対旋律が入り、(クラリネット+ファゴット+トランペット+ビオラ)→(ファゴット+トロンボーン+高弦)が演奏します。

コーダでは対旋律の続きがフルート以外の木管・トロンボーン・チェロ以上の弦によって奏でられ、A部の音形を再現して曲を終わります。

 

4曲目は「東方妖々夢」ステージ2の道中曲、「遠野幻想物語」です。

序奏は原曲より遅めのテンポで始まります。主題はフルートとオーボエに持たせ、ファゴットとビオラが追いかけます。

主部はA, B二つの部分からなりますが、Bは多少冗長に感じられたので繰り返しの回数を調整しました。また、全体がつなぎを挟んで2周繰り返されます。原曲の速度感を持たせるため、打楽器やリズムに気を使いました。

A部は1周目、2周目でそれぞれ2回繰り返されます。1周目では最初バイオリンによってメロディが演奏され、オーボエ、ファゴット、ホルンが対旋律を担当します。続いてクラリネット、ビオラ、チェロにメロディが移り、対旋律はバイオリンが奏でます。2周目ではオーケストレーションをがらっと変え、最初はファゴット、トランペット、ビオラ、チェロがメロディでフルートとバイオリンが対旋律、続いてフルートとバイオリンがメロディを引き継ぎ、オーボエ、クラリネット、ビオラ、チェロが対旋律となります。

B部は1周目で2回、2周目で3回繰り返されます。どちらも最初フルートがメロディを吹き、続いてトゥッティによって演奏されます。2周目では対旋律が挿入され、クラリネット、ホルン、クラリネットとホルンが順々に担当します。

つなぎ部分は原曲より少し延長しています。原曲の16分音符による音形の雰囲気を維持しつつ、新しいフレーズで構成しました。

コーダでは速度を大きく落とし、つなぎの動機、序奏の動機を回想して終わります。

 

5曲目は「東方妖々夢」ステージ6ボス、西行寺 幽々子のテーマ曲である「幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life」です。

原曲の構成は「序奏1(テーマ)- 序奏2 - A(テーマ)- B - C - D - E - 序奏1' - 序奏2からループ」となっています。アレンジでもこの構成はほぼ維持したまま2周させています。具体的には「序奏1 - 序奏2 - A - B - C - D - E - 序奏1' - 序奏2 ~ D - A' - コーダ」となっています。今回は原曲がメロディアスなので、旋律の追加は殆どしていません。

序奏1は原曲より遅めにした上、2楽段としました。最初の8小節は弦の刻みの上でホルンがこの曲のテーマを提示し、続いて木管楽器によって繰り返し・発展させられます。音楽が一旦収まると小太鼓のロールのみが残り、アレグロに入ります。

序奏2からは原曲とほぼ同じテンポになり、力強い変拍子による導入で緊張感を高めます。調は嬰ト短調となります。

A部ではこの曲のテーマが全奏による強奏で高らかに宣言されます。B部はロ短調のつなぎで、弦楽器のピチカートの上にフルートとクラリネットが旋律を奏でます。

全休止の後に入るC部はホ短調となり、ビオラ、チェロ、第1バイオリン、オーボエとクラリネットがメロディを担当します。フルートとピッコロはメロディの追っかけを演奏し、2楽段目からはホルンに対旋律が入ります。

D部ではヘ短調に戻り、小太鼓のリズム刻みによって一層疾走感を増して盛り上がっていきます。高弦の16分音符による急速な音形もそれに貢献します。1楽段目は旋律がホルン、対旋律がフルートとオーボエです。2楽段目では旋律にトランペットが、対旋律にピッコロが加わり、銅鑼が鳴り響いて音楽は第1の頂点を迎えます。

E部は嬰へ短調、弦楽器のピチカートのみになり、突如静まります。続く序奏1'ではこのピチカートを伴奏として管楽器が交代で旋律を奏でていきます。担当は楽段毎に(クラリネット+ファゴット)→(ファゴット+ホルン)→(ファゴット+トロンボーン)→ピッコロとなります。使用しているメロディは、第1楽段がテーマの後半部分、第2楽段がテーマ前半の変形(対旋律にトランペット)、第3楽段がテーマ前半の反行形(対旋律にクラリネットとホルン)、第4楽段がテーマ前半部分です。この部分の最後ではテンポが遅くなり、嬰へ音上に一旦終止します。

短い休止の後、突如序奏2が再現され、2周目が始まります。序奏2とA部は1周目と全く同じで、B部は旋律楽器がオーボエとファゴットに変わっています。C部はロ短調となり、1周目より音量を増して演奏されます。オーケストレーションは同じです。

D部は1周目と違い、ハ短調で、音量を抑えて開始されます。小太鼓がリズムを刻む中、クラリネットとバイオリンによって旋律が、フルートによって対旋律が奏でられます。2楽段目で旋律にオーボエとホルン、対旋律にピッコロを加え、少しずつ音楽が盛り上がっていきます。

続くA'部では調性がヘ短調に回帰し、全奏によるテーマが鳴り響きます。銅鑼も加わって音楽は一層膨らみを増していき、第2楽段で再び頂点に至ります。

コーダには音楽の勢いが衰えることなく突入します。木管・弦・打楽器によるリズム打撃に乗って、金管のコラールでテーマがもう一度繰り返され、ヘ音の打撃によって力強く曲を終わります。

作成:

2007/09/21 IV. 遠野幻想物語 完成
2007/11/02 III. Lunar Dial 完成
2008/01/21 V. 幽雅に咲かせ、管弦の桜 完成
2008/01/26 I. プレインエイジア 完成
2008/01/29 II. ヴォヤージュ1969 完成
2008/02/23 楽譜作成開始
2008/07/05 楽譜完成

備考:

使用音源:Garritan Personal Orchestra

著作権表示:

原作者:ZUN(上海アリス幻樂団
 
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