序曲「古明地フーガ」 - Arranged for Orchestra, Op. 24a

楽曲情報:

古明地フーガ ロ短調 / B-Minor / h-moll約8分15秒

編成:

FluteI, II
Piccolo 
OboeI, II
Clarinet in BbI, II
Bass Clarinet in Bb 
BassoonI, II
  
Horn in FI, II, III, IV
Trumpet in BbI, II, III
Tenor TromboneI, II
Bass Trombone 
Bass Tuba 
  
Timpani(4 kettles)
Triangle 
Cymbals 
Bass Drum 
  
ViolinsI, II
Violas 
Violoncellos 
Contrabasses 

音源:

楽譜:

スコア譜
パート譜

コメント:

吹奏楽としてアレンジした「序曲『古明地フーガ』」の管弦楽編曲版です。

古明地姉妹のテーマ曲とバロック音楽を融合し、緩(序奏)-急(主部)-緩(コーダ)のフランス風序曲にアレンジしました。原曲は、東方地霊殿より「少女さとり ~ 3rd eye」、「ハルトマンの妖怪少女」を使用しています。

 

序奏の冒頭では、バス声部が「少女さとり」のAメロを断片的に提示します。序奏全体は12小節が2回繰り返される形で、この断片の中に含まれる動機を中心にして展開しますが、曲想は原曲から離れた自由なものです。1回目は弦楽器を基調とした安定感のあるオーケストレーション、2回目は金管コラールや木管アンサンブルが顔を出す表情豊かなオーケストレーションとなっています。

主部はロ短調で始まり、「少女さとり」のAメロを用いたフーガ主題が木管カルテットにより提示されます。主調と属調が交代しながら3+4小節を2回繰り返し、4声のフーガとなります。楽器を増やしてこれを短く展開するとホ短調に転調し、続いて「ハルトマン」のAメロを用いた断章がオーボエとファゴットのトリオにより挿入されます。こちらは2小節を強奏と弱奏で2回繰り返す形になっています。

主部前半はこれらのふたつのモチーフを交代しながら進行します。次の「少女さとり」はホ短調により2+3小節の区切りで現れ、ニ短調に転調して繰り返します。続く「ハルトマン」はホルンとチューバのトリオで、ニ短調となります。さらに木管アンサンブルによるヘ短調で繰り返し、終わりに被さるようにして「少女さとり」が1.5+1小節の区切りで奏されます。この後はニ長調となり、主部冒頭のごとく3+4小節の区切りで「少女さとり」の4声フーガが再現されます。トランペット3本によるホ長調の「ハルトマン」、木管アンサンブルによる1+1.5小節区切りでヘ長調の「少女さとり」と続くと、ピッコロとフルートがフレーズの最後を拡大しながら最弱奏となります。保続低音上を「少女さとり」の動機が繰り返され、最弱奏から最強奏までクレッシェンドすると、ロ短調に戻って後半へとなだれ込みます。

主部後半は「少女さとり」と「ハルトマン」それぞれのサビを融合させた二重フーガとなります。主調と属調で8小節ごと、計16小節をかけて主題を提示すると、金管コラールによる和音の推移を背景に短い展開部が挿入されます。一度弱奏に落ちたあと再び強奏となって主題が再現されますが、この部分はストレッタとなっており、イ短調5.5小節、ホ短調4.5小節、ロ短調3小節、嬰ヘ短調2小節の計15小節となります。最後に属和音によるクレッシェンドとなり、主調最強奏でコーダが開始されます。

コーダは「少女さとり」のAメロおよび「ハルトマン」のサビ、2つの動機断片を中心に展開します。全体は12小節+lungaとなっており、序奏と同様に自由な曲想です。最終部では5度下行のゼクエンツが挿入され、これに導かれた金管がファンファーレを駆け上がってクライマックスを形成すると、緩やかな下降のカーブを描いてロ短調主和音のフェルマータに終止します。

作成:

2016/12/24 編曲開始
2017/01/22 編曲完了
2017/03/01 楽譜完成

初演:

2018/01/21 幻想郷交響楽団 演奏会2018

備考:

使用音源:EWQL Symphonic Orchestra
音源加工:Vienna Suite

著作権表示:

原作者:ZUN(上海アリス幻樂団
※ 本作品は東方Projectの二次創作です。
 
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